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日本海や大山など豊かな自然に囲まれ、古くから商業の街としても発展してきた、鳥取県米子市。
経済産業省の「生活コスト見える化システム」では「暮らしやすさ日本一」とも評価されています。

そんな米子での暮らしを体験できる「米子市移住体験ツアー」が、
米子市への移住を考える50歳未満の方を対象に平成28年3月5日(土)〜3月6日(日)、
米子市の主催で開催されました。
米子市内の企業・店舗で働く先輩移住者のお話をレポートします。

*米子市とは・・・ 鳥取県の西側、山陰のほぼ中央に位置する山陰随一の都市。大山の山麓に位置し、大山山麓から湧き出た水は、名水として有名です。高速道路や鉄道、さらには空路・海路の要衝として「山陰の玄関口」の顔も持っています。大山と日本海と中海の自然に囲まれた人口約15万のこの都市は、いま都会からの移住者の注目を集めています。

移住者の体験談1

安達毅(あだち つよし)さん
「おうちカフェ しぇ・あん」店主
愛知県からUターン。古民家を改装したレストランを経営。
地元産の食材を使った料理を提供している。

1日目、まず最初に訪れたのが「おうちカフェ しぇ・あん」。木造古民家を改装して造られたカフェは、中に入ると、高い天井とふすまや壁を取り払った広間に、大きなガラス戸が縁側につながっていてとても開放的です。

店主は、米子出身の安達毅さん。大学進学と同時に名古屋で一人暮らしを始め、卒業後もそのまま名古屋で会社員として生活を送っていました。しかし、今から9年前、会社の方針に疑問を抱いたのを機に米子へUターン。米子市和田町の古民家をご夫婦で改装し、2010年11月22日(いい夫婦の日)に「おうちカフェ しぇ・あん」をオープンされました。お店で提供されているメニューには、地元の中海で捕れる魚介や鳥取県産の白ネギ、自家製の野菜など、地産地消の食材が取り入れられています。最初は素人の家庭料理からはじまったと安達さんは言いますが、今では米子市長や鳥取県知事も訪れる予約必須の人気店です。

地方での暮らしに不安という参加者の声に対して、「ご近所付き合いはとても大切です。移住をしたばかりの頃は色々とありましたが、今では、近所の方の畑を借りて野菜を育てたり、ある時はずわい蟹を20匹頂いたこともあります。何もない様な場所ですが、目には見えない人との繋がりでここは出来ています。」と語る安達さん。

そんな繋がりを大切にする暮らしが「おうちカフェ しぇ・あん」を育んできたのかもしれません。最後に安達さんから参加者へ、「夢と希望を米子で叶えて欲しい」とお話されました。

移住者の体験談2

本田修司(ほんだしゅうじ)さん
株式会社TOYBOX勤務。
東京にてメディア関連の仕事に従事した後、家族で米子市へ移住。

次の訪れたのは、なんとTSUTAYAの3F。角盤町4丁目スタジオと言われる場所です。こちらのスタジオの運営を任されているのが本田修司さん。鳥取県内では2箇所目となるスターバックスをここTSUTAYAに誘致された方です。現在は、「株式会社TOYBOX」に勤めており、米子市内で2つのTSUTAYA店舗を任されています。そんな本田さんも山口県出身の移住者です。本田さんは米子に移住する以前は、東京で暮らしオリコンランキングや音楽配信で有名な「オリコン株式会社」に勤めていました。

しかし、2011年の東日本大震災の後、自宅でふとクーラーにガイガーカウンター(放射線量計測器)を近づけたのを機に移住を考え始めたそうです。パートナーの方の実家が島根県だったことから、山陰地方を移住先として考えはじめました。本田さんが移住のために力を入れたのは、物件と仕事を探すのと同時に、「現地視察」。始めたばかりの頃は、「思ってたのと違う。」その連続で、より家族の為に暮らしやすい環境を探すために何度も「現地視察」を行ったそうです。あまりにも度々足を運んだために資金が足りなくなり、引越しはトラックを借りてご自身で行ったとか。どれくらいやっても足りないほど、「現地視察」は大事だということでした。

そんな本田さんの移住準備期間は1年間。「時には迷いが出るときもありましたが、そんな時は、ひたすら移住のメリットを書きまくる。たくさんのメリットを書いて、何度も読みなおしました。移住には揺るがない決意が必要です。」現地視察を何度も行った結果、現在の米子を移住先として決めたそうです。

「米子に移住し今の会社に勤務を始めて、変化した事はたくさんあります。まず仕事については、給料は半分以下になりました。でも一年は我慢して、今の仕事を突き詰めました。米子市は未開の地です。まだ見ぬ仕事が多く眠っています。やろうと思えば何でも実現できます。スタバを米子に誘致が出来たように。そして、プライベートの時間。何よりも家族や子どもと過ごす時間が増えました。海と山と自然に囲まれて、のんびりしたい時にのんびりできるのが米子です。」と米子での暮らしの魅力を語ってくださいました。

ツアー1日目の終わりには、米子の郷土食材を使った料理を頂きながら、移住者の方との交流会が開かれました。ツアー参加者の方々は、ツアー中には聞けなかった事や、よりリアルな米子の生活について疑問をぶつけたり、参加者同士でお互いに情報交換をしたりしました。

「フレッシュベジタブル京谷」にて農業体験

ツアー二日目は「フレッシュベジタブル京谷」で農業体験をしました。地元ではその美味しさで名の知れた京谷さんの野菜。おいしい水や手作りの肥料にこだわって極限農薬でにんじんや白ねぎ、サラダゴボウなどを栽培しています。今回は、野菜ソムリエサミット・ジュース部門で『2つ星』を受賞した『京谷さんちのグロリアにんじん』の収穫体験をさせていただき、収穫後にはとれたての人参をジュースにして頂きました。

手間暇かけて栽培された野菜は、その美味しさが違います!グロリアにんじんの糖度は、イチゴ並みの10度前後とも言われています。その採れたてのにんじんジュースは、驚く程に甘く、にんじんの独特の香りが抑えられているのでにんじんが苦手な方でも、フルーツのような味が楽しめました。畑のすぐ裏の日本海から吹き寄せるミネラルを含んだ潮風と奥大山の大自然が育んだミネラル分の恵みで米子の野菜たちは育ちます。そんな環境の中で丁寧に育てられたおいしい農作物が、四季折々に楽しめるのも米子市の魅了かもしれません。

米子市「お試し住宅」にお邪魔しました。

最後に訪れたのが米子市の「お試し住宅」。米子市が、移住を検討されている方や米子での生活を体験してみたいという方のために用意している賃貸です。希望者は最短で3日間、最長で90日間まで家を借りて暮らしてみることができます。こちらの賃貸は綺麗にリフォーム済み。

そして、家具や家電、調理器具や食器まで一通り用意されています。布団はレンタルで水道光熱費は別途になりますが、家電つきであることを考えるととても安く借りることができます。物件によって特徴は様々ですが、移住を検討されている方にはお勧めです。低価格で90日間まで滞在できるので、その間に米子市に移住するための住まいや仕事探しの拠点として使用する事も出来るかもしれません。

何より、米子市での生活を体験でき、米子市民と触れ合い、米子の魅力を存分に味わえるのがお試し住宅の魅力。何の繋がりもないところからいきなり移住するには不安もありますが、まず数ヶ月、現地の暮らしや文化を体感することで、米子での自分なりの生活スタイルを見つけることができるかもしれません。

すべてのプログラムが終了し、最後に濃密な1泊2日を参加者全員で振り返りました。 東京から参加した学生からは「米子に来る事自体が初めての経験で、どんな場所なのか、どんな事ができるのか不安もありましたが、本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました。今度は、将来の移住先の一つの候補として考え、時間をかけて訪れたいです。」という感想が聞けました。

また、関西から参加した方からは「観光や遊びで行っただけでは絶対に聞けないような人の話を聞くことができ、貴重な体験になりました。移住された方のお話を聞く中で様々な暮らし方を知り、視野を広げることができました。より本格的にリアルに移住を想像する事ができました。」米子市は、日本海と大山に囲まれた豊富な自然や資源を持つ土地です。自然に囲まれた環境で仕事をして、のんびりと暮らす事ができるこの素晴らしい土地のことを、参加者の皆さんはツアーを通して知ることが出来たようです。

震災以降、移住者が増えているという山陰地方。米子市以外にも周辺の地域では、都内から移住をした若者、地域おこし協力隊として鳥取県に拠点を移している若者が多くいると聞きます。今後、若い世代の吸収力と発信力で地域を活気づけていく人が増えていけば、さらに米子市は素敵なところになると感じられる2日間でした。

ツアー概要は、こちらからご覧いただけます
http://www.city.yonago.lg.jp/19205.htm